始まりはいつものごとく
譜読み.ふりだしに戻る悲しさと将来への希望

Dec. 23 1997


譜読み.それは全体トレーナとしては一番緊張する時である.
なぜなら,初めて本物のオケを前にして棒を振る時だから.

一般の奏者はいい.
自分の楽譜のことだけ考えて,振られた棒についていけばいいんだから.

でも指揮者は違う.
曲の全体像をしっかりつかみ,拍子の変化,テンポの変化,
楽器の出入りを把握していなければいけない.
自分が間違えたら,確実に曲は止まってしまう.
だから,普通の奏者以上に予習をしっかりやらないといけない.


実際,今の忙しい自分にとって,譜読みのための予習時間をとることは なかなか難しかった.
春のスタッフは,冬の演奏会直後に譜読みを予定していたので, 奏者がさらいこむ時間がないという理由をつけてなんとか譜読みを 年明けに移動させようと努力した. だって,ろくに楽譜も見ていなくて譜読みなんかやったって 時間の無駄でしょ? そんな譜読みのために僕だけが必死になって予習をしなければいけないなんて 絶対嫌だ. しかし,結局僕の方が折れてしまい,年末の譜読みとなってしまった. 仕方ないから一生懸命予習したけどね.
でも,そうやって時間がない中で予習をしたがために, 「無理矢理年末の譜読みにして, こっちがこれだけ一生懸命やってるんだから, 当然奏者たちも短い期間で必死になってさらってくれるんだろう」 という期待が強くなってしまったようだ.

譜読みの結果は言うまでもない. いつものように,最低レベルまで落ち込んでしまっていた.
この一年,春,冬と二回の演奏会でメインのトレーナをやり, 少しは僕の言ってることの基本的な部分を理解してくれたかなと 思っていたのだが,見事に裏切られた.
でもまあいいか. ここまでスタート地点が低ければ, 向上の度合も大きく感じられるだろう. そうしたら,最終的な出来具合が多少悪くても満足できるかも知れない.

みんな,お願いだからさっさと音は揃えてね. それができないと,いつまでたっても前に進めないから. 絶対だよ.


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harada@tanimoto.nuee.nagoya-u.ac.jp